再生水利用

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すべての水は、再生(再利用)された水です。可能性としては、ほとんどの、いや、もしかしたら飲料水に含まれるすべての水分子は、 すでに人体や動物体内を循環したことがあるはずです。さらに、地球上に存在するすべての水は、自然の「水循環」を通して、数え切れないほど何度も再利用されています。降水は雪や雨として地表に降り、そして、最終的に河川、湖沼、海洋に流入します。次に、水は蒸散して大気中に放出され、雲に凝縮され、ふたたび雨や雪として地表に降り循環を完了します。雨の一部は、地下帯水層に浸透し、高度の低い地域の地表水域に流入するか、ポンプで集水されて利用されるまで地下帯水層にとどまります。


淡水の水源は限られていますが、それらの水源は天然の涵養システムの一部です。問題は、水の消費量が水が自然に涵養される速度を上回ってしまう傾向があることです。解決策は、水をより効率的に利用することです。ひとつは、より効率的な潅漑システム、水をあまり使わない海に優しい庭造り(ocean friendly gardens)を実行する、節水機能付きの電化製品やシャワーヘッドを利用するなどを含む、いろいろな節水対策を実行することで、水の消費量を軽減することです。また、その他の解決策のひとつで同じぐらい大切なのは、すでに私たちが使っている水を、再利用(そして再利用、さらに再利用……)することです。


住宅で、シャワーや流しから排水管に流入する排水「中水」(greywater)のほとんどは、地元で潅漑用水として利用するのに適しています。残りの排水「下水」("black" water)は、従来の一次処理/二次処理の下水処理の過程と、通常、さらにろ過と消毒を行った後に、潅漑用水として利用することができます。 この処理排水は、よく 再生水(reclaimed water)と呼ばれ、公園、ゴルフコース、墓地、その他の造園地の潅漑用水として利用することができます。さらに、処理水の100%再利用が可能です。フロリダ州のケープ・コラルは、昨年、排水のすべてを再利用しました。市は5年前に、処理済みの再生水を市の潅漑システムに送水して再利用をするために、5億ドルをかけて下水処理場拡大に着手しました。再利用によって、市の水域を保全し、通年、安定した水源を確保することができます。


再生水利用を理解し実用化するためには、「使用済み」の水を排水(できるだけお金をかけずに処分する必要のあるもの)と考えるのではなく、貴重な資源であると考えるようにする発想の転換が必要です。既存のすでに実績のある技術を使って、今までトイレに流してきた汚水を、適用される水質基準をすべて満たす、おそらく、最も高価なボトル入りの飲料水よりさらに純粋な飲料水に浄化することができます。


まさに、このような処理を行っている施設の例が、カリフォルニア州オレンジ郡にある地下水の人口かん養システム(Groundwater Replenishment System)です。ここでは、オレンジ郡衛生地区の「処理場1」で、一次処理と二次処理が行われた一日あたり約7000万ガロンの処理水が、隣にあるオレンジ郡水道局によって運営されている施設にパイプで送水されます。処理水には、さらに、精密濾過処理、逆浸透処理、促進酸化処理の3段階の追加浄化処理が行われます。この段階で、処理水は約15マイル離れた拡水用の水域にポンプで送水され、そこで、天然の砂を通して地下帯水層に浸透するように散水されます。その後、井戸から帯水層の水をくみ上げて淡水源として利用します。このシステムは、途切れなく続く循環または「人工的」な水循環と考えることができます。


オレンジ郡の先例にならって、ロサンゼルス(Los Angeles)とサンディエゴ(San Diego)の両市でも、再生水システムを拡張している途中で、処理水の飲料水利用を可能にするさらなる処理の実用化も検討しています。サンディエゴ市では、このシステムは、「貯水池増強」または「間接的飲用水再利用」と呼ばれています。これは、カリフォルニア州だけの取り組みではありません。1978年から、アッパー・オッコクアン下水局では、ヴァージニア州フェアファクス郡の飲料水の水源になっている、オッコクアン貯水池の上流にある川に再生水を放流しています。多くの都市が、上流の都市が処理排水を放流した河川から給水のために取水しています。このような水源の安全性を確保するために、ろ過や塩素消毒などの処理過程が追加されていますが、オレンジ郡水道局によって行われている新しい「高度」処理過程のすばらしいところは、いくつかの技術を利用して水を完全に「再浄化」するということです。


再生水利用(Water recycling)をすることで、水源問題と排水処理/海洋汚染問題の両方に同時に取り組むことができます。現在、オレンジ郡では、一日あたり7000万ガロンの排水を、高純度飲料水に浄化しているため、一日あたり7000万ガロンの水を北カリフォルニアかコロラド川から輸入する必要がありません。そして、7000万ガロンの排水をハンティントンビーチ沖の海域に以前のように放流せずにすみます。 再生水利用は、地域社会や近隣レベルでも実用化が可能です。事実、小規模な地元のシステムのほうが、長距離用の高価な送水システム(管路とポンプ)の利用を避けることができるので、大規模な集中型システムより優れているかもしれません。もっとも大切な概念は、水は、一度使っただけで捨ててしまうにはあまりに貴重な天然資源だということです。狂ってしまった水循環機能(Cycle of Insanity)を正常に近づけるために、水について知りましょう(Know Your H2O)。自然は、地球の歴史が始まったときから水を再利用してきました。私たちにもそれが可能です!



ここで、カリフォルニア州でサーフライダー・ファウンデーションの活動方針調整役のジョー・ギーバーと、再生水利用技術者で、サンディエゴ支部(San Diego Chapter)でボランティア活動をしているドーン・グンダートへのインタビューを聞くことが出来ます。


訳注:この記事は、サーフライダー・ファウンデーション・USAによってまとめられたものを、サーフライダー・ファウンデーション・ジャパンのボランティアが翻訳したものです。アメリカ合衆国の環境問題、政府機関、法律などに基づいて書かれたもので、日本の現状に基づいて書かれたものではありません。